「先生!外出しました!!」
そんな報告が届くたびに、胸がぎゅっと熱くなります。
だって、その一言を伝えるまでに、お母さんがどれだけの思いを抱え、どれだけ涙を流してきたか…僕は知っているからです。
あるお母さんは、ポケモンにめちゃくちゃ詳しいんです。
でも最初からそうだったわけじゃない。
毎日毎日、子どもの話を聴いて、一緒にバトルして、気づいたら覚えていたんです。
それがどれほど大変か、僕は知っています。
本当は働きたい。
本当は学校に行ってほしい。
本当はひとりになりたい。
本当は……「こんなことでいいのかな」って思う日だってある。
そんな気持ちをぎゅっと飲み込んで、ゲームの話に付き合ったり、笑顔を向けてきたんです。
もちろん、聞けない日もある。
適当に返してしまって自己嫌悪になる日もある。
話を聞くのが吐きそうになる日もある。
耐えきれずに逃げたくなる日だってある。
そしてそんな自分を「ダメな母親だ…」と責めてしまう。
変わらない子どもの姿を見て、「やっぱり自分のせいなんだ…」って思ってしまう。
子どもの味方でいようと誰よりも奮闘しているのに、
“そのお母さん自身の味方”がいないんです。
だから僕は、味方になりたいと思ってきました。
でも本当に味方になれているのか…正直わからない日もあります。
意見してしまうこともある。
余計なこと言ったかな、と落ち込むこともある。
本当に支えになれているのかな…って自問自答ばかり。
あぁ、これがきっと——
お母さんの気持ちなんだ。
「味方でいてください」
「安全基地になりましょう」
「話を聴きましょう」
「見守りましょう」
SNSには軽くこう書かれているけど、本当は簡単なことなんかじゃない。
しんどい日もある。
がんばっているからこそ苦しい日もある。
怖くなる日だってある。
そんな中で、
“知ろうとしてくれる存在がいること”
“理解しようとしてくれる存在がいること”
そして嬉しいときに、心から「嬉しいね!!」と言ってくれる存在がいること。
それが、本当の意味での味方なのかもしれません。
パーフェクトな味方じゃなくていい。
僕も完璧にはなれないけど、
それでもやっぱり、お母さんやその子の味方でいたい。
一緒に、進んでいこう!!
一緒に、がんばろうね!!


